遠いところ＠シネ・リーブル池袋（良作)/23年24本目

遠いところ＠シネ・リーブル池袋（良作)/23年24本目

ちょっと本業が忙しく映画どころではない状態で、２カ月ぶりの劇場での映画鑑賞です。

沖縄本島が舞台の、遠いところ＠シネ・リーブル池袋。テアトル新宿とヒューマントラストシネマ有楽町でもかかっていたのですが、いずれも最終回。で早寝の良い子なので一番早く始まる、シネ・リーブル池袋を選択です。

映画ですが、沖縄本島の沖縄市（旧コザ市）に住む、沖縄土着DQN一家の物語で、DQNは連鎖する、てな話に、大人の事情で風景・歌・踊りの沖縄観光テイストを織り込むという、ありがちな沖縄映画の作りです。

まあ、佐木隆三さんの「沖縄と私と娼婦」を現代に置き換えて、といった感のストーリー建てですが、２０年前までであれば、現実味が多少あったのでしょうが、「現在」を舞台とすると、なかなか現実離れ感が強すぎます。さすがに、沖縄県警や沖縄県の児童相談所が、映画ほどはポンコツではないでしょうし、そもそも論として、民法改正で結婚年齢は１８歳に引き上げられていますｗ

また、今は沖縄は人手不足で、時給は都内並みだったりします（ホントに仕事ができない連中が多いのは置いときます）。

このあたり、沖縄に３０年近く遊びに行っており、昼・夜の街の状況を知っているからわかる話ではあり、また、内容を欲張ったがために細部の詰めが甘くなった、ということなのでしょう。

もっとも、１７歳で夜の商売やっているというのは、現実問題としてあり（そういったところに行ってるわけではないですがｗ）、辻のソープランドで未成年を使って、営業停止処分を食ったなんてニュースがたまにあります。真栄原新町や吉原での就労というのもありだったとのこと（沖縄出身者の談によると）。

ところで、サービスにうるさい、梅毒を持ち込んでいるという専らの評判の中国人観光客が主人公を派遣風俗で呼んでいるというのは、極めて現在的なのですが、性風俗に関していうと、都市部ではホストクラブの売掛で借金作らせ風俗へ、という職業安定法違反でたまに摘発される流れがありますが、沖縄の伝統的な同様の手法として、貸金業法違反・利息制限法違反の日掛け金融による借金返済のために、風俗で働かせる、という、更にヤバイ話もあるところです。

てんこ盛りの内容の割には、直接的な反社が登場しない、というのもなかなか不思議なところで、ここが、公的機関等が映画製作の支援に入っている作品の限界でもあります。

ということで、本来的には良作－の評価ですが、主演の花瀬琴音さんや石田夢実さん(容姿的にはこちらの方が沖縄チック）の好演で、良作です（出演者、エキストラも含め全般的に好演です）。

松山でのロケというのもなかなか、です（このあたりは、フィルムコミッション側が手配してくれたのか？　一昔前だと、あちらこちらに話を通す必要があって大変だったはず）。

まあ、沖縄の貧困が大きな主題であるならば、国際通りで観光客と喧嘩して殴られた人もいる国場一族を始めとする、ごくごく一握りの沖縄富裕層の存在を石田夢実さん側で直接的に描いて、それとの対比を軸に、東南アジア諸国と沖縄の状況の共通性を出せば、秀作評価だったところです（上から目線ｗ）。

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