トルコハワイ跡@旧余目町(庄内町)、といっても何がなんだか、という向きのためにいうと、トルコハワイとはハワイという名の個室付特殊浴場(ソープランド)というお店の廃墟。
庄内町の余目というと、映画「おくりびと」で有名になったが、実際は、すっかんピンなところで、中洲、吉原、堀の内、すすきのあたりにある個室付特殊浴場が余目にあるというのも変な話だ。
経緯はともかく、この廃墟が有名なのは、判例(民事(国家賠償)、刑事)。
特に、「山形県余目町個室浴場事件」として、行政法の領域では有名だ。
それでは、画像で紹介しよう。


ギンギンぎらぎら感はなく、意外とシック、小ぶりなトルコハワイ跡。

昔はそれなりに交通量があったのかもしれないが、バイパスができ、ほとんど人通りがない道沿いに立地。
ソープランドがあたっていたら、鶴岡や新庄の金持ちが夜な夜な来て、賑わったかもしれない。

こちらが、この事件の問題の発端となった児童遊園(若竹児童遊園)。
トルコハワイの営業開始を阻止するため、県(県警)と町が連携して設置(認可)した児童遊園だ。
児童遊園とはいうものの、現在は子供の姿はほとんどない、というか、人がいない。

こちらは児童遊園に隣接する、小さな社(妻神社)。
狛犬の代わりに変な石像が立っているが、この社は、刑事事件の下級審で、弁護人が、「このあたりはもともとエロい雰囲気があり、児童遊園設置に不適」である旨の主張をするにあたり、エロい雰囲気の証拠として引っ張ってきたところ。
国賠、刑事とも風俗営業がらみの事件としては珍しく、行政サイドの完敗となった。
要は、児童遊園設置が権限の著しい濫用で違法(無効)、これを前提とする刑事処分等は著反正義、損害は相当因果関係あり、といった感じだ。
ちなみに、児童遊園設置認可の前段として、当初は余目町や県(県警)に相談して、実質的にゴーサインとなってトルコハワイ側が準備を進め始めたら、余目町の周辺の住民がトルコハワイ設置反対、と騒ぎ出したため、余目町や県(県警)が連携プレーで、児童遊園設置し、風俗営業施設新設の立地制限(児童遊園から一定の距離が離れていないと設置不可)に引っ掛けて妨害した、という流れがある。
※トラベルガイド
羽越線・陸羽西線 余目駅から徒歩15分程度
庄内空港からのアプローチも比較的容易(イオンの無料バスを乗り継げば、空港・余目間無料)、なお、タクシーで20分もかからない。
14年11月のトルコハワイの状況はこちらあたりも参照願いたい。
(追記)
さて、なぜ余目にトルコハワイを作ろうと思ったのか?
訴訟の記録上は、当然のことながら不明だが、
・鉄道的には、陸羽西線(新庄)、羽越本線(酒田、鶴岡)の結節点にあり、それなりに重要な地点。
・そして、新庄、酒田、鶴岡には遊廓(赤線)があり、これらが売春防止法施行により、(一応)風俗店が廃止になり、その需要を吸収しようとした。
といったことが想起されるところ。
いずれにせよ、「ハワイ」ないだろ、ですが。。。
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